記事一覧 ARTICLE

動物病院開業での機器・機材

動物病院開業において、M&A(承継)以外で関わってくるのが医療機器・機材の選定です。
新規で動物病院を開業する際、どのような製品を導入・設置するかは、診療の質だけでなく、将来的な経営にも大きく影響します。

その際に相談先となるのが医療機器ディーラー(専門業者)ですが、医療機器ディーラーによって金額・取扱製品・対応範囲・サービス内容は大きく異なります。動物医療という専門産業においては、価格だけで判断するのではなく、知識や実績を踏まえ、しっかりと見極めたうえで、良質なディーラーに相談・提案・納品してもらうことが重要です。

動物病院開業における機器金額の目安(概要)

診療のレベルによって導入する機器の量や内容、金額は大きく変わってきます。
この機器費用をどのように抑え、適切に配分するかも開業時の重要なポイントです。

1次診療(一般診療中心)約1,500万~2,000万円中古機器をうまく活用すれば、コストを抑えながら十分な設備を整えることが可能。
1.5次診療(やや高度医療)約3,000万円検査機器などで新品が増え、やや設備投資が増加。
2次診療(高度医療中心)約5,000万円〜CTやMRIなどを導入する場合は、さらに1,000〜2,000万円の上乗せが必要。

以下に代表的な考え方を整理します。

機器の活用方法

  • 中古製品の活用

    中古製品を活用することで、初期費用を大きく抑えることが可能です。
    ただし重要なのは、「どの機器を新品にし、どの機器を中古にするか」という選定内容です。

    中古でも可とされる代表例
    ゲージ、診察台など精密機器ではないもの
    ※比較的年数の浅い精密機器であれば、中古でも問題ない場合もあります

    一方で、精密機器は動物の命に直結するため、原則として新品、もしくは状態の良い中古製品を慎重に選定することをおすすめします。中古製品を導入する場合でも、必ず購入前に事前のデモや動作確認を行ったうえで購入しましょう。

  • リースの活用

    高額な医療機器や、数年単位で買い替えを予定している製品については、リースを活用するのも有効な方法で、手元資金を極力残しながら導入できる点が大きなメリットです。

    特に、開業初期は運転資金や広告費、人材確保などにも資金が必要になるため、リースを含めた柔軟な資金設計が重要です。
    レントゲンやエコーなど、300万円以上の医療機器はリース導入されるケースが多く見られます。

  • 補助金の活用

    開業時には、市町村などが実施している創業向け補助金を活用できる場合があります。
    それ以外の補助金は、開業後の経営フェーズで利用できるものが中心となります。

    経営後に機器を追加導入したい場合や、診療内容の拡充を検討する際には、補助金を活用した購入も有効です。補助金には採択条件や申請時期がありますので、事前に情報を検索・把握しておくことをおすすめします。

納品する主な医療機器一覧(内容例)

動物病院で導入される医療機器は多岐にわたります。
勤務医時代に使用していた専用機器を導入したいと考える獣医師も少なくありません。

■診察台

■検眼検耳鏡セット

■スリットランプ

■顕微鏡

■血球計数器

■生化学検査器

■尿比重計

■超音波診断装置

■ビデオスコープ

■遠心機

■X線装置

■ラジオグライフィー

■フレア防護エプロン

■シンク

■CT

■MRI

■無影灯

■電動油圧手術台

■除細動器

■外科器具基本セット

■手術用ドリル

■滅菌器

■麻酔システム

■麻酔用人工呼吸器

■高周波ラジオ波メス

■整形器具

■血液凝固分析装置

■ゲージ

■輸血ポンプ

■シリンジポンプ

■ICU

■酸素濃縮器

■自動分包機

■電子天秤

など

機器ディーラーと打ち合わせをするタイミング

金融機関からの借入を行う際、機器の見積書が必要になります。
つまり、金融機関にとっては「医療機器への投資」という位置づけで融資判断が行われます。

そのため、金融機関との面談前に、ある程度の機器内容・金額を整理し、見積を取得しておくことが重要です。
立地決定後すぐに借入相談へ進むケースも多く、準備が遅れるとスケジュールが非常にタイトになります。

立地に左右されにくい機器選定については、コンセプト設計と同時期(1~2ヶ月目)にディーラーとの打ち合わせを済ませておくことが望ましいでしょう。

機器ディーラーと打ち合わせをするタイミング

機器ディーラーは、中古製品も柔軟に提案できる会社、もしくは複数社併用を検討することをおすすめします。

機器ディーラー選びで重要なのは、導入後のフォローアップ体制です。
納品時の対応が良くても、設置後のサポートやトラブル対応が不十分であれば、飼い主様への医療サービスの質にも影響します。

将来的に、売却・廃業・閉院といった選択肢が発生する可能性もゼロではありません。そうした場面も含め、長期的な視点で支援してくれるディーラーかどうか、第三者の評判や実績を確認することが大切です。

執筆者 Profile

執筆者

株式会社ねこのタミ 

代表取締役 辻 建三

実際に動物病院の開業を経験したことで、無駄のないセンターピンをおさえたリアリティのあるアドバイスを実施します。動物病院の経営コンサルティング経験を生かし、開業後に持続的に飼い主様に選ばれ続ける病院作りを見据えた開業を体制を構築していきます。
また、ゴールが「開業」ではなく、「開業後しっかり繁盛するか」に定めており、黒字化するまでサポートを実施しています。

医療関係者とは500件以上接点があり、医療関係のセミナーを10年以上計100件以上
コンサルティング実施先は約80~100社
評価構築サポート 100社以上
EDUWARD Press 執筆
パナソニック株式会社 執筆

執筆者
Profile

株式会社ねこのタミ 代表取締役 辻 建三

実際に動物病院の開業を経験したことで、無駄のないセンターピンをおさえたリアリティのあるアドバイスを実施します。動物病院の経営コンサルティング経験を生かし、開業後に持続的に飼い主様に選ばれ続ける病院作りを見据えた開業を体制を構築していきます。
また、ゴールが「開業」ではなく、「開業後しっかり繁盛するか」に定めており、黒字化するまでサポートを実施しています。

医療関係者とは500件以上接点があり、医療関係のセミナーを10年以上計100件以上
コンサルティング実施先は約80~100社
評価構築サポート 100社以上
EDUWARD Press 執筆
パナソニック株式会社 執筆

無料小冊子ダウンロード ご相談はこちら