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動物病院の開業で必要な借入とは?融資の流れ・金額・注意点を徹底解説

動物病院を開業するにあたり、診療方針や立地、設備投資と同じくらい重要なのが「各種届け出・行政手続き」です。これらを正しく、かつ適切なタイミングで行わなければ、開業の遅延・行政指導・最悪の場合は診療停止といったリスクにもつながります。
また、開業時には病院の住所や事業内容の概要、運営の責任を担う代表が明確になっていることが前提となる手続きも多く、事前準備が欠かせません。

本記事では、動物病院開業時に必要な届け出・手続きを、時系列でわかりやすく整理し、実務目線で解説します。

動物病院の開業には借入がほぼ必須 A loan is almost essential to open a vet clinic

動物病院を新規開業する場合、多くのケースで金融機関からの借入を利用します。
理由は明確で、
・物件取得・内装設計費
・医療機器・設備費
・受付・待合・診察室の設計費
・開業前後の運転資金
これらを合計すると、数千万円規模になるためです。
自己資金だけで賄えるケースは稀であり、借入を前提にした事業計画の作成が一般的です。

借入の際に必要な書類

・賃貸借契約書 ※不動産を既に見つけている場合
・免許証
・印鑑証明書
・住宅ローン書類一式・返済計画書 ※購入されている場合
・定款 ※会社を設立している場合
・確定申告書3期分
・機器見積り
・施工見積
・創業計画書 ※日本政策金融公庫専用の書式
・事業計画書
・3ヶ年シミュレーション

事業計画書

事業計画書は明確なフォーマット等はありませんが、事業を行う際にコアになる大事なポイントを明記することが大事です。コンセプト・開業への想い・経歴・事業での貢献など、ご自身が開業したい内容をしっかり記入すると良いでしょう。
また、金融機関の担当者が動物病院業界に詳しくない場合もあるため、業界動向についても触れておくと丁寧です。
加えて、動物取扱業・保管 に該当する業務を行う場合は、その内容や届出状況を明記しておくことで、法令遵守の姿勢が伝わり、評価につながりやすくなります。

3ヶ年シミュレーション

3ヶ年シミュレーションは、事業運営開始から3年間の業績予測を示す資料です。
金融機関は損益分岐点をいつ超えるかを重視するため、この点を明確に示す必要があります。ただし、現実離れした数字では意味がないため、過去の実績や業界平均を参考にしながら、根拠のある数値を作成することが重要です。
この部分は難易度が高いため、専門家に相談するのも一つの方法です。

動物病院の開業資金はいくら必要?【費用の目安】
物件取得・内装1,500〜3,000万円
医療機器・設備1,000〜2,000万円
運転資金300〜800万円
合計3,000〜5,000万円前後
借入できる額の目安として自己資金の10%と言われていますが、実際には前後するケースもあります。

自己資金が多いほど、借入できる可能性は高くなる傾向にあります。そのため、早い段階から自己資金を準備しておくことが重要です。また、親族からの援助も資金調達時には有利に働く場合があります。

借入先の種類と特徴(資金調達方法)

日本政策金融公庫は、創業融資の代表的な金融機関で、多くの獣医師が利用しています。
創業者向け制度が充実しており、実績がなくても相談しやすい点が特徴です。

・創業融資に強い
・事業計画重視
・実績がなくても相談可能

日本政策金融公庫はインターネットから予約を行い、面談を経て融資可否が判断されます。
地銀・信用金庫・ノンバンクの場合は、開業予定地の支店に事前相談するのがおすすめです。

融資までの流れ【検討〜提出まで】

① 開業エリア・物件の検討
② 設計会社・施工会社の選定
③ 医療機器・設備の見積取得
④ 事業計画書・資金計画の作成
⑤ 金融機関へ相談・申込
⑥ 面談・審査
⑦ 融資決定
この中で特に重要なのが、
「事業計画書」と「資金計画」です。

事業計画書で見られるポイント

・なぜその立地なのか
・施工・機器の見積が固まっているか
・想定患者数・売上
・提供するサービス内容
・人員体制(獣医師・受付・スタッフ)
・いつ黒字化する見込みか
また、動物取扱業・保管 に該当する業務を行う場合は、届出状況を明確にしておくことで、信頼性が高まります。

月々の返済について

借入額が多いほど、月々の返済負担は大きくなります。
開業直後は売上が安定しないケースも多く、返済計画は慎重に立てる必要があります。
据置期間を活用することで、資金繰りを安定させることも可能です。

運転資金の考え方

資金不足は経営リスクを大きく高めます。
一般的には「月間支出の6か月分」が目安とされますが、無理のない範囲で余裕を持った計画が重要です。

借入額が希望通りにならない場合の考え方
・機器のグレードを見直す
・導入時期をずらす
・最低限の設備に絞る

最初から完璧を目指さず、段階的に拡張していく考え方が成功につながります。

開業前に知っておきたいポイント

動物病院の開業では、
・立地選定
・物件契約
・内装設計
・医療機器選定
と並んで、資金調達準備に多くの時間を要します。
また、ペットの預かりや入院管理を行う場合には、動物取扱業・保管 の登録が必要となることがあるため、事前に自治体へ確認しておくことが重要です。

執筆者
Profile

株式会社ねこのタミ 代表取締役 辻 建三

実際に動物病院の開業を経験したことで、無駄のないセンターピンをおさえたリアリティのあるアドバイスを実施します。動物病院の経営コンサルティング経験を生かし、開業後に持続的に飼い主様に選ばれ続ける病院作りを見据えた開業を体制を構築していきます。
また、ゴールが「開業」ではなく、「開業後しっかり繁盛するか」に定めており、黒字化するまでサポートを実施しています。

医療関係者とは500件以上接点があり、医療関係のセミナーを10年以上計100件以上
コンサルティング実施先は約80~100社
評価構築サポート 100社以上
EDUWARD Press 執筆
パナソニック株式会社 執筆

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