動物病院業界についてー株式会社Miracle様対談

- 株式ねこのタミ:
- こんにちは。じゃあまずはちょっと村田さんのご紹介を宜しくお願い致します。
- 株式会社ミラクル村田さん:
- 株式会社の村田と申します。前職は経営コンサルティング会社で動物病院部門で勤務していまして、多くの先生に可愛がっていただきながら、従事していました。コンサルの時に色々な壁が生じ、これはコンサルではなかなか解決できないなっていうのがあったので、今こういう形でシステム会社という形でいろんな先生方に サービス提供させて頂いています。日々頑張って、成長含めサービスもアップデートしております。
- 株式ねこのタミ:
- コンサル業を経てるので、今後の動物病院業界について、今の現状も踏めて今後、 AIだとか予約診療、WEB予約だとか Web電子カルテのここら辺がどれぐらいのニーズがあって、今後どうしていくのかをお聞かせていただければ嬉しいです。
- 株式会社ミラクル村田さん:
- 現在、 2病院に1名以上がスタッフさん不足を掲げてる現状があります。その中で今日本でも看護師が国家資格家化するなどの経緯もありました。しかし、地域にもよって、スタッフさんの応募来てもなかなか続きづらいという懸念点があります。また2025年の10 月にはまた最低賃金も上がるなど経営的な支出も増えています。これが1つの大きなトレンドかなと考えています。
- 株式ねこのタミ:
- 獣医師は採用できないとよく聞くのですが、動物看護師はそんなこともないと耳にすることもあります。どうなんですか?
- 株式会社ミラクル村田さん:
- 実際クライアント先からの話ですと、看護師取れる・取れないで言うと、取りづらくなったっていう声はやはり多いです。どちらかというと、その応募者がペットショップさんの感覚で応募されることが多いので、採用したけど教育に時間を割いたのに、すぐに辞めて、既存のスタッフさんが疲弊するといったサイクルが続くといったケースがよくあります。教育含めて、ちょっと「疲れたよ」という先生方は個人的にはすごく増えてきた印象にあります。 そういう意味で言うと、病院さん側で言うと、一番は人に関する問題だと思います。 これは規模に関係ないです。
- 株式ねこのタミ:
- 日本の労働人口がシュリンクしてるから、単純にどの業界でも人手不足が絶対に出てくるという話ですね。
- 株式会社ミラクル村田さん:
- そうですね。例えば飲食店とかの配善ロボットとかがどんどん増えてきていると思うのですが、機械だったり、ロボットだったり、システムを使って少ないスタッフさんの人数で運用できることで、スタッフさんがより接客に注力する動きは増えてます。
- 株式ねこのタミ:
- 自動生産機とかも良い例ですよね。人の手が0.3・0.5人分ぐらいを担ってもらうという感じのイメージなのかなと思います。まるまる1人分は補えないけど、複数のシステムを補完しながら 1人を作るような感じですね。
- 株式会社ミラクル村田さん:
- そうですね。あともう 1つは入社してすぐのスタッフさんでもシステムの通りに使いこなせば、ある程度のパフォーマンスは担保できます。 そういう形でできるだけ人に依存しづらい仕組みを入れながらよりパフォーマンスを上げることを注力される先生方は結構増えた印象です。
- 株式ねこのタミ:
- 所謂スタッフ不足の解決だけで売上が上がりませんといったこともあると思いますマーケティングという側面も含め、実際に流行ってる病院と流行っていない病院は何が違うと思いますか?
- 株式会社ミラクル村田さん:
- 色々あると思うのですが、流行ってる病院さんの特徴として、スタッフさんの勤続年数が長いことも伺えます。その上で看護師さんのことを飼い主様はどう呼ぶかっていうのが結構個性でるなと思います。流行ってる病院様は飼い主様が看護師さんのことを名前で呼ぶケース多いです「○○さん、これどう思う?」「ちょっとご飯の相談したいんだけど」とか獣医師の先生以外でも気軽に相談できる文化が形成されています。
- 株式ねこのタミ:
- これは獣医師に依存していないという病院という形ですよね。
- 株式会社ミラクル村田さん:
- そうですね。 先生は勿論なのですが、看護師さんも皆さん勉強され、知識豊富な方いっぱいいるので、そういう方がしっかりと自分の知識を披露できる病院であることが大事だと思います。看護師さんスタッフさん1人1人がタレント化してるという形が理想です。それはホームページに顔を出しましょうとかいう話ではなく、来ていただいている飼い主様が認識してることが大事です。
- 株式ねこのタミ:
- さっき集患という話が出たと思うのですが、少しシステムの話を絡めた話をしたいのですが、WEB予約なのですが、動物病院が全国で11,000件ある中で大体何件ぐらいが導入しているイメージですか?
- 株式会社ミラクル村田さん:
- 僕の印象で言うと正直1割ぐらい。
- 株式ねこのタミ:
- 1,100件ぐらい。
- 株式会社ミラクル村田さん:
- 多くても2割。2,000件ぐらいだと思います。僕個人としてはシステム会社ですけど、全病院さんがWEB予約システムが必要かと言うと結構微妙だと思っています。
- 株式ねこのタミ:
- このWEB予約、 WEB問診、電子カルテの順で言うと、導入が多い順で言うとこの順番ですか?
- 株式会社ミラクル村田さん:
- そうですね。まずその大枠で言うと、レセプトソフトというのが結構あります。レセプトソフト、WEB予約、電子カルテ、WEB問診です。所謂WEB問診は業界に特化して、症状の分岐も含めて取れる問診が今までこの産業になかったので、導入が少ないと言えます。それはこれから増えると考えています。
- 株式ねこのタミ:
- 顧客管理システムという話が出たのですが、電子カルテとの違いなどもわからなくなる人が多いと思うのですが、顧客管理システムと電子カルテは両方導入するべきですか?それともどちらかだけでいいのか?これは別に会社が違ってもできるってことなのですか?
- 株式会社ミラクル村田さん:
- 例えば、ある動物病院さんの事例で言うと、レセプトソフトをメインで使っていて、電子カルテの機能は別のサービスで付随やってるというケースもあります。
- 株式ねこのタミ:
- それは倍で工数が掛かったりしませんか?
- 株式会社ミラクル村田さん:
- できれば一社がいいです。そのレセプトを提供してる会社が電子カルテ機能も含めてやっているケースが最も望ましいです。
- 株式ねこのタミ:
- 電子カルテを導入するのであれば、電子カルテに付随した顧客管理システムがある方が一番
便利ということですね。 - 株式会社ミラクル村田さん:
- びっくりしたのがドイツだと電子カルテの普及率が確か80% ぐらいあります。すごくないですか?
- 株式ねこのタミ:
- 80%?!人医療ではなく、これは動物病院だけですか?
- 株式会社ミラクル村田さん:
- 動物病院の場合はどうしてもパソコン台を診察室に置かないといけないなど、結構危なかったりするので、設計の段階でそこを想定しないケースも多かったりします。日本でなかなか普及しづらい理由は、カルテに記入する時間が掛かることだと思います。
- 株式ねこのタミ:
- ちなみに先ほどドイツでは普及率は8割と言っていたのですけど、日本の電子カルテの普及率はどれぐらいですか?
- 株式会社ミラクル村田さん:
- 僕の印象だけで言うと、一番導入数が多い会社さんは顧客管理システムを入れていても、電子カルテ機能もは使われていないといったことも多いです。しっかり使っているということを考えると、500件ぐらいかと思います。でも勿論、これから増えてくると思います。
そして、AI音声入力などにより、今の課題であるカルテ入力の手間が解消されていきます。そうすると、更に普及していくと思います。通常の音声入力の場合だとどうしても会話のみの記録になります。大事なのは会話のデータをうまく要約する形です。弊社の場合、問診と連動したモノになり、精度が高くなると思います。 - 株式ねこのタミ:
- 次にWEB予約の選び方・ポイントをお教えください。
- 株式会社ミラクル村田さん:
- 病院の混雑状況によります。例えば先生が15分に1件以上の診察・来院している場合、順番待ち一択だと思います。その場合、順番待ちができる機能を付随した予約システムを選択するべきです。順番待ちができる会社の中でもLINEと連携できる・アプリで完結できるかといった点も重要です。1 つ大きいのがアプリだとどうしてもダウンロードするのがめんどくさかったりするので、そういう意味ではLINEは手軽さがあります。 ただその順番待ちで結局肝になってくるのが「そもそもキャパオーバーで待ち時間が出てしまう」ことです。そうなった時に、問診も含め業務効率化ができるかも大事な点です。診察時間がより濃厚かつ短くなるようなシステムと仕組みが大事です。
- 株式ねこのタミ:
- 先ほどの話を整理すると、WEB予約を選ぶポイントとして、①順番待ちができる②LINEで通知ができる(キャンセル・遅刻を防ぐ)③診療効率化できるようなものということですね。
- 株式会社ミラクル村田さん:
- ベストは全ブラウザでも使える、アプリでも使える、LINEでも使えるといったことです。その上でメニューごとの時間帯の設定ができるとか細かくできるといいです。ワクチンの予約が入ったら、その後○時間は予約入れられないなどの設定などできればより病院にカスタマイズできます。そういう細かい要望も答えられるシステムだと、診察がうまくいきます。
- 株式ねこのタミ:
- 順番待ちは30分に3件とかいうモノですか?
- 株式会社ミラクル村田さん:
- 順番待ちは整理券なので、先着順です。例えば「今から行きます」となって、「58番目」ですといった具合です。
- 株式ねこのタミ:
- 時間の目安も出る感じですか?
- 株式会社ミラクル村田さん:
- 目安が出るケースはあまりないです。勿論、それが出ればベストではありますが、今何人待ちかくらいしか現状わかんないことが多いです。
- 株式ねこのタミ:
- WEB問診自体まだまだ導入件数が少ないと思うのですが、動物病院で導入すべきですか?
- 株式会社ミラクル村田さん:
- 結論としては「いります」。皆さん認識されてる WEB問診はよく予約システムと連動しているイメージだと思います。例えば、予約のタイミングで150文字以内で先生にメッセージを書けたり、画像を追加できたりみたいなことが多いです。 このような問診機能をリリースしているシステム会社さんが多いです。WEB問診で大事なのは、主訴・症状をしっかり把握でき、それに応じて質問が分岐できるかということです。例えば、ワンちゃんで下痢だった時、下痢に対して細かく確認していくと思います。「いつからですか?」「どんな形のうんちですか?」「食べ物はどうなのか?」「いつ頃食べているのか?」など分岐することが大事です。下痢1つにとっても最近気になるイベントありましたかとか、診察室で先生、受付、看護師さんが複数回に渡って深堀すると思いますが、それらの工数が大幅に削減されることが理想です。同じような質問を色んな場面で3回くらい聞くことも多いです。
- 株式ねこのタミ:
- より深堀できるWEB問診を導入したら、先ほどの飼い主さんとのラリーがなくなるという想定ですが、1 診療あたりで何分ぐらい短縮するモノですか?
- 株式会社ミラクル村田さん:
- WEB問診のサービスだけを入れていただくケースも多いんですけど、今まで30分に2件診ていた状況から30分に3件診れるようになったといった事例もあります。
- 株式ねこのタミ:
- 5分・10分は短縮できるイメージですか?
- 株式会社ミラクル村田さん:
- 5分ぐらいだと思います。10 分は無理ですけど。
イメージで言うと診察室先生が入ってから例えばスタートだとした時に「今日どうされましたか」から 1個1個全部聞くと思うのですが、それが大体3分~5分ぐらい掛かってしまうのですが、WEB問診があれば、すぐ本題に入ることができます。その分まず時間が凝縮されやすいです。あとは事前の検査準備ができるなど、全体の効率化になります。 - 株式ねこのタミ:
- WEB予約を入れずに、WEB問診だけを入れているケースはあるのですか?
- 株式会社ミラクル村田さん:
- あります。
- 株式ねこのタミ:
- 次に電子カルテの選び方について聞きたいのですが、動物病院で電子カルテをリリースしている会社さんは 5、6社ぐらいですか?
- 株式会社ミラクル村田さん:
- 10社ぐらいはあるかと思います。
- 株式ねこのタミ:
- 僕も色々見せてもらって、「ここいいな」「ここ使いやすい」など会社によって違うイメージなのですが、値段とか質とか分からない方も結構多いと思うのですが、どういうポイントで選ぶべきなのですか?
- 株式会社ミラクル村田さん:
- 一番は外来がちゃんと回るということが最優先です。カル手機能の書き心地というポイントで選ぶ方もおられますが、実際はちゃんと会計までがしっかりと回るかが大事です。もっと言うと、会計のタイミングで、飼い主さんから変更・追加などあった場合、即座に対応できるかが重要です。会計機能がちゃんと充実してるかが本当に肝だと思います。その上で、どのシステムと連携してるかという部分も重要です。また会社の姿勢で言うと、スピードが大事です。ただやっぱり皆さん気にされるのは結局「歴史があるか」、 あとは「本当に潰れないか」というのが本音ベースだと感じます。
- 株式ねこのタミ:
- タッチペンで書きたいっていう方も多いイメージですが、どうでしょうか?
- 株式会社ミラクル村田さん:
- タッチペンで全て完結できるような感じだったらやりやすいのかなとは思うのですが、結局タッチペンで書くよりもキーボードも早かったりします。今のタイミングはタッチペンかもしれないですが、今後もしかしたら最終的にはもうほとんど書かなくていいカルテをちゃんと提供できる会社が出てくると思います。
- 株式ねこのタミ:
- カルテに記載することが結構パターン化すると思います。人医療だと所謂クラークさんがある程度パターン化することを書いたりするのですが、それが動物病院でも出来たら理想かなとは思うのですが、そういったパターン化のようなことはできたりするのですか?
- 株式会社ミラクル村田さん:
- やはりできた方がいいですし、できるシステム会社もあります。あとは細かいことで言うと、今後、音声入力も大事になってきます。
- 株式ねこのタミ:
- 電子カルテに慣れるまで、最初の方は多分時間掛かると思うのですが、紙と電子ではどれぐらい時間が違いますか?
- 株式会社ミラクル村田さん:
- 人によりますけど、紙だと2~3分ですぐ書く先生も多いです。そうなると逆に電子カルテ入力の方が4~5分掛かり、紙よりも時間が掛かってしまうケースもあります。例えば、検査結果とかペタペタ貼るなどで変わってきます。でも紙で書いたオーダーを結局レセプトソフトに打ち込んで会計するという業務が生じるので、全体の連動を考えたら効率化に繋がります。
- 株式ねこのタミ:
- Wi-Fi が使えなくなったら、心配される方も多いと思うのですが、そこら辺はどうでしょう?
- 株式会社ミラクル村田さん:
- ネットワークが繋がらなくなると、ほとんどのシステムが使えなくなります。人医療の方も同様なのですが、1回線は現実的リスクがあります。個人と法人で2回線契約している病院もあります。
- 株式ねこのタミ:
- 2回線持っておくことは大事ですね。
- 株式会社ミラクル村田さん:
- 実際、電話が1回線以上あるといった病院も多いと思います。それと近い発想です。費用よしても対して大きくないと思います。またオンプレにするか、クラウドにするかで言うと、トレンドはシステムクラウドです。端末ごとに課金が発生するので、そこの部分は規模に応じて判断するといいです。別にオンプレでもサクサク動くのであれば、システムによっては全然悪くないと思います。
ゲスト
Profile

株式会社Miracle 代表取締役 村田 悠一
2016年に株式会社船井総合研究所に新卒入社。2017年より動物病院部門のコンサルティング立ち上げを責任者として従事。全国の動物病院の経営を多方面(特にマーケティングや組織構築など)でサポート。スタッフ数2人の小規模病院からスタッフ数30名以上の大規模病院まで対応。ペット業界の情報格差を解消するべく、2022年末に株式会社Miracleを創業。