北海道・東北で動物病院開業は成立するのか?市場構造と県別ポテンシャルを解説
北海道・東北地方は、日本の中でも広い土地を持つ地域であり、人口密度が低いエリアが多い地域です。
動物病院の数も首都圏と比較すると少なく、地域によっては競争がそれほど激しくない市場という印象を持つ先生も多いのではないでしょうか。
しかし北海道・東北の動物医療市場は、単純に「競争が少ない地域」というわけではありません。
北海道では札幌を中心に医療機能が集積している一方で、東北では高度医療や夜間医療の体制が十分とは言えない県も多く存在しています。
特に東北地方では、二次診療施設や夜間診療の整備が進んでいない地域もあり、専門医療や高度医療の拠点が不足しているエリアも見られます。
つまり北海道・東北地方は、
都市集中型の市場と広域拠点型の市場が共存する地域とも言えます。
この記事では、北海道・東北地方で動物病院開業を検討している先生に向けて、
・各都道府県の市場構造
・動物病院数と医療体制
・開業ポテンシャル
を整理しながら解説していきます。

北海道
北海道の人口は約518万人、動物病院数は約500件です。
札幌市を中心に動物病院が集まる傾向がありますが、首都圏と比較すると競合密度はまだ低い地域と言えます。
二次診療施設は3件、夜間診療を行う病院は26件存在しています。
北海道は都市間の距離が長く、地域によって医療体制に差があります。
そのため札幌以外のエリアでは、地域の拠点となる動物病院が成立する可能性があります。
函館などの地域では人口に対して動物病院数が少ないエリアもあり、立地選定によっては開業余地が残る市場と言えるでしょう。
青森県
青森県の人口は約122万人、動物病院数は約70件です。
人口規模に対して動物病院数は多いとは言えず、競合密度は比較的低い地域と言えます。
二次診療施設は1件、夜間診療を行う病院は3件です。
青森市など人口が集まる都市では一定の医療圏が形成されていますが、県全体としては広域分散型の市場となっています。
そのため都市部に拠点型の動物病院を形成することで、広域から患者を集める可能性があります。
岩手県
岩手県の人口は約119万人、動物病院数は約90件です。
人口規模に対して動物病院数は比較的少なく、競争環境はそれほど激しくない地域と言えます。
二次診療施設は1件、夜間診療を行う病院は1件です。
地域差はありますが、まだ積極的な集患を行っている病院は多くないため、差別化戦略を取ることで開業後に早期繁盛する可能性もあります。
拠点型の動物病院モデルが成立しやすい地域の一つと言えるでしょう。
宮城県
宮城県の人口は約229万人、動物病院数は約170件です。
東北地方では最も大きな動物医療市場であり、仙台市を中心に動物病院が集まっています。
二次診療施設は1件、夜間診療を行う病院は8件です。
東北の中では競争が激しい地域ですが、首都圏と比較するとまだ開業余地が残る市場と言えます。
仙台都市圏では都市型の医療市場が形成されています。
秋田県
秋田県の人口は約94万人、動物病院数は約40件です。
二次診療施設は0件、夜間診療を行う病院も0件となっています。
高度医療の体制がほとんど整備されていない地域であり、専門医療の拠点を形成できれば地域の医療を担う存在になる可能性があります。
ただし人口減少が大きい地域でもあるため、立地選定は慎重に行う必要があります。
山形県
山形県の人口は約105万人、動物病院数は約80件です。
二次診療施設は0件、夜間診療を行う病院は2件です。
山形市を中心に一定の医療圏が形成されていますが、動物病院が密集しているエリアもあるため立地選定が重要になります。
高度医療の体制は整備されていないため、専門医療の拠点形成余地がある地域と言えるでしょう。
福島県
福島県の人口は約181万人、動物病院数は約170件です。
二次診療施設は0件、夜間診療を行う病院は2件です。
東北地方の中では動物病院数が多く、競争が比較的激しい地域と言えます。
ただし高度医療の体制は整っていないため、専門医療や高度診療を導入した病院は成立する余地があります。
北海道・東北地方の開業ポテンシャルランキング

北海道・東北地方で特に開業ポテンシャルが高いと考えられる地域は以下の通りです。
1位 秋田県
二次診療・夜間医療ともに未整備で、高度医療の拠点形成の余地があります。
2位 山形県
高度医療が整備されておらず、県央に拠点型病院を形成できる可能性があります。
3位 岩手県
競合密度が比較的低く、地域拠点型の医療モデルが成立しやすい地域です。
北海道・東北地方の市場構造まとめ
北海道・東北地方の動物医療市場は、以下のような構造を持っています。
① 北海道への医療機能集中
獣医学部がある北海道に医療機能が一定集積しています。
② 東北は競合密度が低い県が多い
青森・岩手などでは人口対比で動物病院密度が低い地域です。
③ 高度医療が未整備の県が多い
秋田・山形・福島では二次診療施設が整備されていません。
④ 広域拠点型医療が成立しやすい
都市間距離が長く、拠点型病院が広域診療圏を形成しやすい地域です。
つまり北海道・東北地方は、
「北海道集中 × 東北高度医療空白」
という市場構造を持っています。
都市部では一定の競争がありますが、東北では高度医療の空白が残る地域も多く、地域によっては拠点型動物病院を形成できる可能性がある市場と言えるでしょう。
執筆者
Profile

株式会社ねこのタミ 代表取締役 辻 建三
実際に動物病院の開業を経験したことで、無駄のないセンターピンをおさえたリアリティのあるアドバイスを実施します。動物病院の経営コンサルティング経験を生かし、開業後に持続的に飼い主様に選ばれ続ける病院作りを見据えた開業を体制を構築していきます。
また、ゴールが「開業」ではなく、「開業後しっかり繁盛するか」に定めており、黒字化するまでサポートを実施しています。
医療関係者とは500件以上接点があり、医療関係のセミナーを10年以上計100件以上
コンサルティング実施先は約80~100社
評価構築サポート 100社以上
EDUWARD Press 執筆
パナソニック株式会社 執筆